NYで日本のアートを楽しむ

NYは、先週から今週にかけて、アジアン・アート・ウィークです。ジャパン・ソサイティーでは、EDO POPと題して、主に、江戸時代の浮世絵版画と現代の版画やアートの展示をしていて、江戸時代と現代の同じ場所を描いた作品の対比などがあったり、なかなか興味深かったです。

3月20日に行われるクリスティーズでの「日本と韓国のアートのオークション」の下見に行って来ました。

今回の目玉商品(芸術作品を商品と呼んでしまい、ごめんなさい。でも、売り物なんです。)は、カタログの表紙を飾っている、ブロンズとメタルで作られた花入れです。オークションでおとされるかもしれない見積もり価格は、30万ドルから40万ドル(1ドル100円計算にして、3000万円から4000万円)だそうです。近くで観るとかなり細かい細工です。鼠がリアルだけど、けっこう可愛い顔をしてるんですよ。

私が気になったのが、この大きな屏風絵。横山大観作とのことですけど、、、なんだか、とってもピカピカで、大観らしくないなぁと感じてしまいました。たぶん、屏風の地の金箔が落ち着きのない色だからかも。
それと、

松尾芭蕉の手紙、雪のことについての俳句もかいてあるそうですが、、、どういう内容の手紙なのかがわからないのが残念。でも、このサイズ、茶掛けにしたら、良さそう!

日本クラブのギャラリーでも、日本の素晴らしい工芸作品の展示をしています。

柴田是真の漆で描いたショウキさんの絵、素晴らしかったです。

JADA(日本の古美術を扱うギャラリーでなる団体)が開催している展示会は、本当に見ごたえがありました。

鈴木其一の雌雄の鶏の絵(衝立を掛け軸にした物だそう)売り物です。約15万ドルだそうです。

円山応挙の龍の絵(掛け軸)

円山応挙の鶴の絵掛け軸と亀の絵掛け軸

と、弟子にあたる長沢芦雪の鶴と亀の絵の掛け軸は、対比で観るととてもおもしろい!
もう一つ、3人合作という珍しい掛け軸は、

酒井抱一、鈴木其一、亀田鵬斎儒学者であり書家)の三人が「3人でお酒を飲んでいて楽しくなったので、こんな絵でも描きましょう。」ってことで、酒井抱一と鈴木其一が絵を描き、亀田鵬斎が書を書いて仕上げた絵だそうです。楽しい!!

そして、今夜は、このJADAのメンバーであるErikさんのギャラリーで、レセプションがあったので、行って来ました。
メインは、この孔雀の絵の屏風です。

他に深見陶冶さんの陶芸作品も展示され、既に売れていました。NYでは、メトロポリタン美術館にも展示され、人気が高い作品です。

NYに居て、こんなに素晴らしい芸術品を間近に観ることができて、嬉しいけど、このほとんど(ジャパン・ソサイティーと日本クラブの展示以外)が売り物で、日本国外に出てしまい、個人所有になってしまったら、2度と観ることができないのだと思うと、、、さびしい気もします。