7月も、本を読む

7月も本を読みました。

"無私の日本人"は、自身の利益の為ではなく公に尽くした人にスポットをあてた3つのお話。私はどの人についても、全く知らなかったのだけど、穀田屋十三郎二ついてのお話は、映画化されたそう。中根東里は、儒者。この人の「出る月を待つべし。散る花を追うなかれ」という言葉、未だ起きてもいないことを思い悩まず、穏やかに過ごす。そんな境地なのかなぁ。
大田垣蓮月、この女性が、幕末の志士達に大きな影響を与えたということ、知らなかったし、もっと知りたいという興味を持った。

"世界から猫が消えたなら"は、身近な物、愛する物が消えて行く、またはそれを残して行くことへの恐れとか、、、せつなくて、温かいお話だった。中森明夫氏の解説にも、「この小説には、ハッとする言葉が散りばめられている」とあったけれど、教訓めいたことを童話を読んでいるように自然に、読者に伝えている感あり。特に、「プレゼントは物そのものに意味があるのではなく、選んでいる時に、相手が喜ぶ顔を想像する"その時間"に意味がある」という言葉、中森氏と同じく、気づかされた。最近、私は友達の誕生日に手作りの服をプレゼントしているけれど、、、これって、やっぱり、自己満足だったかもって、反省。。。ファンタジックな世界をどう表現しているのか、映画、観てみたい。

朝井まかて著の"恋歌"は、明治の歌人、中島歌子の伝記小説(と言ってよいのかな。)幕末から明治にかけての時代小説は好きで、いろいろ読んでいるけれど、今まで水戸藩について書かれた物は読んだことがなかった。水戸藩中が二つに割れて戦い、若い志士が殺しあったということ、その藩士の妻子も投獄され、処刑されたなんて!中島歌子の、若くして戦いで亡くなってしまった夫への深い恋慕の気持ちを歌った歌! 読み進めるのは、苦しかったけれど、最後は救いのあるお話だった。

"天才"は、田中角栄元総理のお話。"金にまみれた政治家"だけれど、苦労人で情の深い人だったんだろうな。つい最近、NHKスペシャルで、ロッキード事件について最新の証言を含めた特集を観たのだけれど、なんとも"闇の世界"で、アメリカの大きな力を感じる。